継続は力! 投信協会のビデオメッセージが伝える長期・分散・積立の本当の力
国内の緊急事態宣言が1カ月程度延長された。また、1カ月以上にわたる自粛経済の影響で、国内外で観光業や小売業などの経営破たんのニュースも出始めている。3月の底値からいくらか戻った株価も、実体経済の悪化を目の当たりにして戻りの勢いもなくなり、いわゆる「2番底」を見に行くことになるかもしれない。このような動きになると、投資家の間で「いったん現金化して、全体が落ち着いた頃を待って再度投資を始めよう」と考える人が出始めても不思議ではない。しかし、投資信託協会をはじめ、投資のプロの間で今、いわれているのは「Stay in the Market」だ。「投資を継続してほしい」と呼び掛けている。
投資信託協会は、3月の下旬から、動画を使ったメッセージを積極的に発信し始めている。これまで、3月26日に協会理事の中野晴啓氏(セゾン投信代表取締役社長)が「ゴールを見失わないで」とメッセージしたことを皮切りに、27日には同じく理事の藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長)が「未来を信じる、未来を見つめて挑戦し続けよう」。そして、4月23日には協会副会長の菅野暁氏(アセットマネジメントOne代表取締役社長)から「経験からお伝えしたいこと、長期的な視野と忍耐力が大切」、5月1日には協会理事のデレック・ヤング氏(フィデリティ投信代表取締役社長)が「相場変動時の5つのアドバイス!」について語っている。
投信協の理事らから発信されているメッセージは、それぞれに自己の体験に基づいた市場変動時の対処法や心構えについて語っている。そして、共通しているのは、「長期・分散・積立」の投資を継続することが大切ということだ。投信協会では、この動画メッセージについて「継続は力なり! Stay the course!」プロジェクトと命名して、統一したメッセージの発信に努めている。
なぜ、「マーケットに留まること」が大事なのかという点について、デレック・ヤング氏は、「マーケットがいつ底を打ったのかは、誰にも事前には分らないから」と説明している。そして、「株価が下落した安い価格で買い続けて、平均買付価格を下げることも大事になる」と指摘している。たとえば、2008年のリーマンショックを例にとって、「リーマン・ブラザーズが経営破たんした9月に市場は大きく下げたが、翌年の2月にかけて再度売り込まれ、ようやく大底を打った」として、世界各国でロックダウンが広がった3月の下落水準を超える下げが、これからやってくると見通す向きもある。一方、もはや株価の最悪期は終わっていて、今後は徐々に株価の水準が上がっていくかもしれないのだ。今後の株価を言い当てることは誰にもできない。だからこそ、ヤング氏は、「長期・分散・積立」を継続することが大事と説いている。
実際に、過去に日米の代表的な株式市場インデックスである日経平均株価とダウ平均株価を使って毎月一定額の積立投資を実施したとすると、今年4月末現在まで5年以上の長期の積立投資の結果は、投資期間が長くなるほどに良い成績になる傾向がある。日経平均株価は、過去30年間を振り返ると、ちょうど、バブルのピークを越えた頃にスタートしたことになる。日経平均は3万3000円の水準にあり、30年を経て、一時は8000円を下回る水準に下落して、ようやく2万円台を回復したところだ。株価の水準は30年前には遠く及ばないものの、現在まで継続して投資を続けていると投資元本360万円が、500万円を超える資産になっている。
株価のアップダウンに恐ろしい思いをしたくないという気持ちはよくわかる。いつまで続くかわからない自粛の生活を継続していくことも辛いことだ。ただ、ここで諦めてはならないのだろう。ウイルスの蔓延によって世界経済が一瞬で止まり、しかも、その期間が2カ月にも及ぶようなことは、近代に入ってから人類が経験したことがない事態といえる。しかし、これまで何度もあった疫病を人類は乗り越えてきた。経済的な大きなショックも必ず克服し、発展につなげてきたのが、これまでの歴史だ。諦めないで継続して投資をしていることこそ、このショックに打ち勝つ大きな一歩になる。何も考えないでほったらかしでも良いが、冷静に考えた上で、それでも投資を続けると納得して継続することが大事だ。投資信託協会が発している動画の1つ1つ、幾多の試練を潜り抜けてきた経験者のアドバイスに耳を傾けたい。
提供:モーニングスター社
投資信託協会は、3月の下旬から、動画を使ったメッセージを積極的に発信し始めている。これまで、3月26日に協会理事の中野晴啓氏(セゾン投信代表取締役社長)が「ゴールを見失わないで」とメッセージしたことを皮切りに、27日には同じく理事の藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長)が「未来を信じる、未来を見つめて挑戦し続けよう」。そして、4月23日には協会副会長の菅野暁氏(アセットマネジメントOne代表取締役社長)から「経験からお伝えしたいこと、長期的な視野と忍耐力が大切」、5月1日には協会理事のデレック・ヤング氏(フィデリティ投信代表取締役社長)が「相場変動時の5つのアドバイス!」について語っている。
投信協の理事らから発信されているメッセージは、それぞれに自己の体験に基づいた市場変動時の対処法や心構えについて語っている。そして、共通しているのは、「長期・分散・積立」の投資を継続することが大切ということだ。投信協会では、この動画メッセージについて「継続は力なり! Stay the course!」プロジェクトと命名して、統一したメッセージの発信に努めている。
なぜ、「マーケットに留まること」が大事なのかという点について、デレック・ヤング氏は、「マーケットがいつ底を打ったのかは、誰にも事前には分らないから」と説明している。そして、「株価が下落した安い価格で買い続けて、平均買付価格を下げることも大事になる」と指摘している。たとえば、2008年のリーマンショックを例にとって、「リーマン・ブラザーズが経営破たんした9月に市場は大きく下げたが、翌年の2月にかけて再度売り込まれ、ようやく大底を打った」として、世界各国でロックダウンが広がった3月の下落水準を超える下げが、これからやってくると見通す向きもある。一方、もはや株価の最悪期は終わっていて、今後は徐々に株価の水準が上がっていくかもしれないのだ。今後の株価を言い当てることは誰にもできない。だからこそ、ヤング氏は、「長期・分散・積立」を継続することが大事と説いている。
実際に、過去に日米の代表的な株式市場インデックスである日経平均株価とダウ平均株価を使って毎月一定額の積立投資を実施したとすると、今年4月末現在まで5年以上の長期の積立投資の結果は、投資期間が長くなるほどに良い成績になる傾向がある。日経平均株価は、過去30年間を振り返ると、ちょうど、バブルのピークを越えた頃にスタートしたことになる。日経平均は3万3000円の水準にあり、30年を経て、一時は8000円を下回る水準に下落して、ようやく2万円台を回復したところだ。株価の水準は30年前には遠く及ばないものの、現在まで継続して投資を続けていると投資元本360万円が、500万円を超える資産になっている。
株価のアップダウンに恐ろしい思いをしたくないという気持ちはよくわかる。いつまで続くかわからない自粛の生活を継続していくことも辛いことだ。ただ、ここで諦めてはならないのだろう。ウイルスの蔓延によって世界経済が一瞬で止まり、しかも、その期間が2カ月にも及ぶようなことは、近代に入ってから人類が経験したことがない事態といえる。しかし、これまで何度もあった疫病を人類は乗り越えてきた。経済的な大きなショックも必ず克服し、発展につなげてきたのが、これまでの歴史だ。諦めないで継続して投資をしていることこそ、このショックに打ち勝つ大きな一歩になる。何も考えないでほったらかしでも良いが、冷静に考えた上で、それでも投資を続けると納得して継続することが大事だ。投資信託協会が発している動画の1つ1つ、幾多の試練を潜り抜けてきた経験者のアドバイスに耳を傾けたい。
提供:モーニングスター社