「GAFA+M」コロナ危機で躍進―米株シェア2割超に、主力アクティブも高位維持

 米国株式市場におけるハイテク大手の存在感が一段と高まっている。S&P500種株価指数への連動を目指す代表的なETF(上場投資信託)「SPDR S&P 500 ETF」(ティッカー:SPY)の銘柄別構成比率を見ると、アルファベット(グーグル)、アマゾン、フェイスブック、アップルにマイクロソフトを加えた「GAFA+M」の合計比率が15日時点で21.06%と、2割を超えている。同比率は15年末時点では11.00%、19年末時点でも16.74%だったが、コロナ危機を受けて一段と上昇した格好だ。

 背景には感染拡大の影響を受けにくく「コロナ耐性」が強いとの見方からこれらのハイテク銘柄に資金が流れ込んでいることがある。18日までの年初来リターンはS&P500が−8.57%とマイナスリターンに落ち込む中、アマゾンが31.30%、マイクロソフトが17.25%と大幅高となるほか、その他3銘柄も1ケタのプラスリターンと堅調だ。

 国内投信においても、アクティブ運用を行う米国株式型ファンドの純資産残高上位には「GAFA+M」の比率を高めに維持するファンドが目立つ。直近の月次運用報告書で開示されている組入上位銘柄を基に残高トップ3の「GAFA+M」の比率を見ると、「AB・米国成長株投信Dコース(H無)予想分配金」はアップル以外の4銘柄で25.3%、「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(H無)」は5銘柄で35.3%、「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド」は31.3%となる。

 3ファンドのパフォーマンスは比較的良好だ。「AB・米国成長株投信Dコース(H無) 予想分配金」と「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(H無)」はモーニングスターレーティングが4月末時点で5ツ星。運用実績が3年未満でレーティング未付与の「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド」も年初来のトータルリターンは−4.79%と、カテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」平均を9.79%上回る。

 いずれも共通するのはコロナ危機を受けた低成長時代においても業績を伸ばせる「グロース(成長株)」に投資する点だ。もっとも、今後も一本調子で株高が続くかは不透明で、成長期待から追随する投資家が相次ぎ過熱感が強まれば調整局面入りするリスクはある。一方で、市場参加者の想定以上に危機が早期に収束するシナリオにも注意が必要だ。そうした時は足元で低迷している景気敏感株やバリュー株が騰勢を強め、グロース株を上回って推移する可能性が高い。
提供:モーニングスター社
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