アセットマネジメントOne「厳選ジャパン」、コロナショックからいち早く回復し新高値を更新

 アセットマネジメントOneが設定・運用している日本中小型株ファンド「厳選ジャパン」の基準価額が5月20日、年初来の最高値を更新した。コロナショックで3月16日には年初来高値(1月23日、10,235=19年12月30日を10,000として指数化)から38%下落した6,338に落ち込んだものの、そこから42営業日で最安値から約63%上昇し、下落分を全回復。20日には10,320と年初来高値を更新した。この間、日経平均株価を同じく指数化してみると、20日時点では8,706と昨年末と比較してマイナス13%の水準にある。同ファンド運用チームのファンドマネジャーである岩谷渉平氏と関口智信氏に、運用の現状と見通しを聞いた。

 「厳選ジャパン」は、国内上場株式の中から、今後、高い利益成長が期待できる20銘柄程度に厳選して投資を行う。銘柄選定にあたっては、優れた経営者の質・ビジョン、新しいビジネスモデルや付加価値の高い商品等から企業価値の増大が期待できる企業に着目し、徹底した企業分析、銘柄調査に基づいて組み入れ銘柄を選定している。SBI証券の専用ファンドであり、SBI証券の公式サイトでは岩谷氏と関口氏が直接、同ファンドの運用報告を行っている。

 コロナショックからいち早く脱した理由について、運用チームでは「景気悪化見通しによる株価下落は投資の好機と考え、ディフェンシブにならず成長銘柄に投資してきたことが貢献した」としている。具体的には、経営や消費行動のオンライン化に関わる企業に投資したという。これらの企業は、コロナ禍で問題を抱えた人たちに解決策を提供する企業群として市場での評価も高まり、同ファンドのパフォーマンスを押し上げる力になった。

 今後の運用方針は、「引き続き、コロナショックで成長性が高まる可能性のある企業に注目します。加えて、コロナにより短期的な業績悪化は避けられないものの、経済活動の再開にしたがって回復が期待でき、さらにこの変化に積極的に対応した結果としてコロナ以前を上回る規模に成長する可能性のある企業に注目したい」としている。

 運用チームでは、東日本大震災をきっかけに日本でコミュニケーションツールのLINEや災害に強いクラウドが広がってきたように、今回のコロナショックによって日本社会・日本人の意識の変化が一気に進んでいくと考えている。「アフターコロナでも、オンライン化は進むと思います。また、一方でオフィスの意味とか、リアルの世界も変わってくると思います。様々な変化が起こってくると考えています。このような社会変化をとらえ成長する企業に投資したい」と企業調査に一段と力を入れていく方針だ。

 世界経済の回復には時間がかかり、株価の上昇も徐々に頭が重くなっていくと見通される。その中にあっては、銘柄間のパフォーマンス格差は拡大していくことが考えられる。わずか20銘柄程度に厳選投資する「厳選ジャパン」がいち早くコロナショックによる下落を取り戻して上伸したのは、これからの市場を象徴した出来事といえるのだろう。運用会社の「目利き力」が試されている。
提供:モーニングスター社
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