確定拠出年金、スマホで簡単運用−日本生命、第一生命などアプリ相次ぎ投入

 企業型の確定拠出年金向けスマートフォンアプリが相次ぎ登場している。運営管理機関である日本生命保険と第一生命保険は4月に提供を開始、損保ジャパン日本興亜DC証券は11月から開始する。

 共通するのは、ロボットアドバイザーで示された資産配分を参考にするだけでなく、アプリ上で運用商品の比率変更まで行える点だ。従来型の確定拠出年金のサービスは、加入者がロボアドの情報を参照した後に別途専用サイトにログインし直して比率変更を行う必要があった。各社が今回提供するサービスはロボアドによる運用診断から比率変更までをアプリ上で完結できる利便性がウリで、実際に見直しを行う加入者の増加が見込まれる。

 企業年金連合会の18年度調査によると、企業型の確定拠出年金において元本確保型商品は資産残高ベースで依然として5割を超えており、投信での運用は道半ばだ。投資経験が少ない多くの加入者にとって商品選びのハードルが高いことが背景にある。

 そうした中で、第一生命の「DCのサプリ」は運用状況等を継続的にスマホに通知するプッシュ機能、損保ジャパンのアプリ「つみたてナビ」は商品別のつみたて運用実績シミュレーションを搭載するなど、初心者が投資に馴染みやすいようにする工夫を凝らしている。また、日本生命の「NISSAY DC Station」はそもそもサイトにログインするIDとパスワードが分からない人が多いとの問題意識から、アプリではこれらの情報の都度入力を不要にしている。

 一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)でスマホアプリを提供する運営管理機関の一つがauアセットマネジメントだ。運用商品は元本確保型(1本)を含め5本とシンプルなラインナップで、「多すぎて選べない」ことが起こらないほか、運用残高に応じて「Pontaポイント」を付与する点も特徴だ。

 お金のデザインが運用するiDeCoサービス「MYDC」もスマホで提供され、商品が5本(うち投信3本)と絞り込まれているほか、投資一任で実績があるロボアド「THEO」の一部機能を用いたサービスが強みだ。「MYDC」の加入者は全国平均よりも投資信託で運用する人が多いとされ、ロボアド活用の効果が伺える。

 18年5月のDC改正法施行により、運用商品数が多すぎないように上限が35本とされたほか、事業主による加入者への継続投資教育が配慮義務から努力義務に格上げされるなど、適切な投資判断を可能にするための制度面での整備は進みつつある。

 一方、スマホ対応など若い世代を取り込むための動きはまだ始まったばかりと言え、各社が追随するか注目される。
提供:モーニングスター社
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