リターントップは「国内大型バリュー」、景気回復期待でバリュー株見直し=2021年1−3月

 バリュー株ファンドのパフォーマンスが急回復している。2021年1−3月の国内公募追加型投資信託のリターンをモーニングスターカテゴリー別に見たところ、トップとなった「国内大型バリュー」を始め、「国内中型バリュー」、「国内小型バリュー」も上位となり、いずれも下位に沈んだ前年から劇的に変化している。

 2021年1−3月のリターンは、「国内大型バリュー」が16.09%で全74カテゴリー中トップとなったほか、「国内中型バリュー」が15.52%で第3位、「国内小型バリュー」が10.36%で第14位となった。2020年の1年間のリターンは、「国内大型バリュー」が−4.66%で年間リターンのある71カテゴリー中第59位、「国内中型バリュー」が−4.48%で同58位、「国内小型バリュー」が−2.93%で同53位であり、2021年は前年と真逆に近い動きとなっている。

 背景にあるのが、株式市場におけるバリュー株見直しの動きだ。TOPIX(東証株価指数)のスタイル別指数の推移を見ると、「TOPIXバリュー」(配当込み)の2021年3月末までの年初来騰落率は16.34%となり、2020年の年間騰落率−4.24%から大幅に回復している。「TOPIXグロース」(配当込み)の2021年3月末までの年初来騰落率が2.71%と2020年の年間騰落率19.21%から伸び悩んでいるのと対照的な動きだ。2020年はポストコロナ関連として一部グロース株が人気化したが、今年に入ってからは、コロナワクチンの開発・接種の進展による景気回復期待を背景に、景気敏感株などバリュー株を見直す動きが強まっている。

 参考までに、世界の株価指数の動向を示す「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」の「バリュー」(配当込み、ドルベース)の2021年3月末までの年初来騰落率は9.04%、2020年の年間騰落率は0.42%、「グロース」(配当込み、ドルベース)はそれぞれ0.33%、33.93%であり、バリュー株物色は世界的な傾向であるといえる。

 国内株式型ファンド(ETF除く、通貨選択型除く)を対象に、2021年1−3月のリターンを見ると、トップの「日本製鉄グループ株式オープン」(リターン29.60%)、第2位の「日本郵政株式/グループ株式ファンド」(同26.67%)、第3位の「日本好配当リバランスオープン」(同22.99%)始め、上位10ファンドをいずれもバリュー株ファンドが占めた。
提供:モーニングスター社
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