ファンドの最大下落率を把握していますか?MSサイトでチェック

 米国金融政策の正常化やインフレに対する警戒感を背景に、年初から日米株式市場が揺れている。現地24日の米国株式市場でNYダウは反発したものの、一時は前日比の下げ幅が1100ドルを超えた。25日の国内株式市場で日経平均株価は大幅反落し、終値は前日比457円安の2万7131円となった。昨年末比で5.8%安の水準にある。

 足元の不安定な金融市場を、ファンドの最大下落率を確認する機会としたい。モーニングスターのホームページではファンドの最大下落率を掲載している。個別ファンドのトップページから「レーティング&リスク」タブを開くと、向かって右下の方に、設定来で1カ月間、3カ月間、6カ月間、1年間のそれぞれの期間における最大下落率が、記録した時期とともに表示されている。図は、とあるバランス型ファンドの例だが、1年間の最大下落率は−8.51%で、2020年10月末までの1年間で記録したものであることを示している。

 最大下落率を見る上で留意したいのが、ファンドの設定日である。リーマンショック時の2008年10月、コロナショック時の2020年3月に最大下落率を更新したファンドが多く、2021年12月末基準の国内ファンド(ETF除く)5009本を対象に1年間の最大下落率を更新した月を見ると、2008年10月が710ファンド(14.2%)、2020年3月は1033ファンド(20.6%)に達する。図のバランスファンドはリーマンショック後の設定だが、コロナショック時に最大下落率を更新したことが分かる。これらのショックを経験していないファンド、足元ではコロナショック後に設定されたファンドは最大下落率が小幅となりやすい。

 日米株高が緩和的な金融政策を背景に継続してきたことから、日米株式は当面、米国の利上げやバランスシートの縮小を巡る動向に値動きが大きくなる神経質な展開が続くことも予想される。保有するファンドがどの程度下落する可能性があるのか、改めて確認し、自身のリスク許容度と照らし合わせたい。
提供:モーニングスター社
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