つみたてNISA、iDeCoの認知率上昇続く、内容理解は今ひとつ−投資信託協会調査(1)

 投資信託協会が先日公表した「投資信託に関するアンケート調査報告書−2021年(令和3年)NISA,iDeCo等制度編」によると、つみたてNISAに対する認知率は71.2%と前回調査比6.6ポイント上昇し、iDeCo(個人型確定拠出年金)に対する認知率も62.9%と同3.0ポイント上昇した。ただ、いずれも認知者のうち「制度内容はよく分からない」という回答者の方が多い。関係各所には、制度の認知度向上と同時に、内容の理解に繋がる施策が求められる。

 同調査は、全国の20〜79歳の男女個人を対象にしたインターネット調査。NISA、つみたてNISA、企業型確定拠出年金、iDeCo制度などの認知・利用状況、利用意向などを確認し、今後の投資信託の利用拡大や啓発普及活動に役立つことを目的とする。今回は2021年11月26〜12月5日にかけて実施され、総計2万サンプルが集まった。

 つみたてNISAの認知率71.2%の内訳を見ると、「名前も制度内容も知っている」が27.7%と前回比4.5ポイント増となったが、「名前は知っているが、制度内容はよく分からない」も43.4%と同2.0ポイント増加した。認知率は30代が78.8%で最も高く、70代が59.1%で最も低かった。

 つみたてNISA認知者のうちつみたてNISAで現在金融商品を保有している人の割合は13.5%(前回比2.3ポイント増)に留まった。認知者のうち口座を開設していない人の未開設理由は、「投資に回すお金がない」13.9%、「どの商品を購入してよいかわからない」12.0%、「投資の知識がない/知識がないと難しそう」11.2%の順となった。

 つみたてNISAで現在金融商品を保有している人の口座開設金融機関を見ると、「ネット証券」60.8%、銀行15.0%の順となった。前回比で銀行が6.2ポイント減少した一方、ネット証券は13.0ポイント増と高い伸びとなった。また、保有している金融用品のうち投資信託の割合は84.8%(前回比0.3ポイント減)となり、投資信託のうち「外国株式に主に投資する投資信託」が56.8%と前回比14.6ポイント増加した。

 今後の利用意向については、「利用したい計」(『利用したい』、『やや利用したい』の合計)が23.0%と前回比4.9ポイント上昇した。「利用したい計」は若年層で相対的に高く、20代38.3%、30代38.7%となった(60代11.5%、70代5.4%)。
提供:モーニングスター社
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