国内株式型では高配当利回り関連、先進国株式型では米エネルギー関連が上位−3月末時点の年初来リターン

 国内ファンドの2022年3月末までの年初来リターンを調べたところ、国内株式に投資するファンドの上位には、配当利回りに妙味のある銘柄に投資するファンドが並んだ。国内株式が年初から低調に推移する中で、高配当利回り関連ファンドを中心にバリュー株のパフォーマンスが良好となった。

 国内株式に投資するファンド(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く、通貨選択型も除く)のリターン上位10ファンドを見ると、7ファンドをモーニングスターのカテゴリー分類で割安株への投資を示す「バリュー」に分類されるファンドが占めた。このうち6ファンドは、配当利回りに着目して銘柄を選択するファンドとなった。

 2022年の国内株式は、米金利上昇、ロシアのウクライナ侵攻、原油価格の上昇、インフレ進行などが響いて年初から下落し、日経平均株価の年初来下落率は3月9日には14.15%に達した。その後やや戻したものの昨年末の水準を回復できないでいる(4月19日時点の年初来下落率は6.27%)。国内株式型ファンドについては、低調な株価の推移を受けて成長株であるグロース株に投資するファンドのパフォーマンスがおおむね低調な一方、バリュー株ファンドを見直す動きが広がり、安定的なインカム収益が見込める高配当利回り関連ファンドがリターン上位に浮上した。

 配当利回りに着目する6ファンドのうちリターン13.33%でトップとなった「日経平均高配当利回り株ファンド」は、日経平均株価採用銘柄のうち予想配当利回り上位30銘柄に投資(組入比率は流動性を考慮して決定)する。2022年3月末時点のポートフォリオの予想配当利回りは5.7%と日経平均株価の1.9%を大幅に上回る。組入上位銘柄は予想配当利回り11.2%の『日本郵船』、同10.2%の『商船三井』、同3.7%の『三菱UFJフィナンシャル・グループ』となっている。

 国内株式型ファンドでリターントップとなった「日本株アルファ・カルテット(年2回決算型)」は、国内株式への投資に加えて、「高金利通貨戦略」「株式カバードコール戦略」「通貨カバードコール戦略」を組み合わせることで、インカムゲインとオプションプレミアムを確保しながら、中長期的な収益の獲得を図る。

 なお、先進国株式ファンドのリターン上位には、「世界シェールガス株ファンド」(リターンは40.19%)、「シェール関連株オープン」(同38.65%)、「GS MLPインフラ関連証券ファンド 年2回決算コース(愛称:ザ・シェール)」(同36.90%)など、実質的に米国のエネルギー関連企業に投資するファンドが並んだ。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、原油価格、天然ガス価格が高水準で推移していることが寄与した。欧州がロシアからのエネルギー依存脱却を図る中で、米国産の原油や天然ガスの需要が拡大するとの観測もあり、今後も注目される。
提供:モーニングスター社
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