2022年のトータルリターン、トルコ株式とエネルギー関連に投資する国際株式型ファンドが上位独占

 2022年の個別ファンドのトータルリターンを見たところ、SOMPOアセットマネジメントの「トルコ株式オープン」(愛称:メルハバ)がトップとなるなど、トルコ株式とエネルギー関連分野に投資する国際株式型のファンドが上位を独占した。集計は、国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)から通貨選択型及びブル・ベア型を除く2022年12月末時点の純資産残高が10億円以上のファンドを対象とした。

 「トルコ株式オープン」のトータルリターンは104.18%。第2位には野村アセットマネジメントの「オーロラII (トルコ投資ファンド)」が95.46%で続いた。トルコの代表的な株価指数である「イスタンブール100」は2022年に前年末比196.57%(約3.0倍)上昇した。世界的な株安に見舞われた中でトルコ株式が急騰した背景には、高インフレを受けて、同国の投資家の資金が、インフレ対策や資産防衛目的から株式に向かったことがあるとみられる。

 第3位には、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「GS MLPインフラ関連証券ファンド 毎月決算コース」(愛称:ザ・シェール)が入った。以下、第10位までシェールやMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)など原油価格動向の影響を受けやすいファンドが並んだ。2022年のNY原油市場でWTI原油先物価格は前年末比6.71%上昇した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて3月上旬に急騰した後6月にかけて高止まりした。年後半は伸び悩んだものの、55.01%上昇と急騰した2021年に続いて上昇した。

 なお、11位以下には、エネルギー関連ファンドと並んで、「フランクリン・テンプルトン・ブラジル高配当株ファンド(毎月分配型)」(トータルリターンは33.61%)などブラジルの株式や債券に投資するファンドが並んだ。ブラジルの代表的な株価指数であるボベスパ指数は2022年に前年末比4.69%上昇した。

 トルコでは足元で景気に減速感が見られる。原油については世界経済減速に伴う需要低迷懸念がある。ブラジルは、今月発足した左派ルラ政権の政策運営に振らされやすい状況にある。2022年のリターン上位ファンドを取り巻く環境が変化しつつある点には留意したい。
提供:モーニングスター社
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