2022年国内株式型のトータルリターン、上位にはバリュー株ファンドがずらり

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF、通貨選択型除く)のうち2022年12月末時点の純資産残高が10億円以上の国内株式型ファンドを対象として、2022年のトータルリターンを見たところ、上位10ファンド中9ファンドを割安株に投資するバリュー株ファンドが占めた。世界的な株安が日本にも波及する中で、バリュー株ファンドの相対的な下値抵抗力の強さが示された。

 2022年は、主要各国の金融引き締めなどを受けて世界的な株安に見舞われ、日本を除く先進国の株価動向を示す「MSCI コクサイ(ワールド除く日本)インデックス(米ドルベース)」は前年末比19.53%、新興国の株価動向を示す「MSCI エマージング・マーケット・インデックス(米ドルベース)」は同22.37%下落した。日本株も下落したが、「TOPIX(東証株価指数)」の下落率が5.05%に留まるなど、相対的な底堅さが見られた。

 日本株の底堅さを支えたのがバリュー株だ。モーニングスターでは、国内株式型ファンドを、「大型・中型・小型」の規模と、「グロース・ブレンド・バリュー」のスタイルにより9つのカテゴリーに分類している。2022年のカテゴリー別平均リターンを見ると、大型・中型・小型のブレンドとグロースの6カテゴリーがマイナスとなった一方、バリューは大中小の3カテゴリー全てでプラスのリターンとなった。大型株で見ると、「国内大型ブレンド」が▲2.09%、「国内大型グロース」が▲9.67%となったのに対して、「国内大型バリュー」は8.06%のプラスリターンとなった。

 また、「TOPIX(配当込み)」との月次リターンを比較すると、「国内大型バリュー」は全12カ月中10カ月で上回った。「国内大型ブレンド」が上回ったのは6カ月、「国内大型グロース」は5カ月であった。このうち、「TOPIX(配当込み)」が下落した6カ月について見ると、「国内大型バリュー」は全6カ月で上回った。「国内大型ブレンド」は3カ月で上回ったが、「国内大型グロース」は全6カ月で下回った。主要各国の利上げを受けてグロース株に逆風が吹く一方、バリュー株は下落局面での下値抵抗力を発揮した。

 トップ10入りしたバリュー株9ファンドのうち、「日経平均高配当利回り株ファンド」や「日本好配当リバランスオープン」など5ファンドを高配当利回り銘柄に投資するファンドが占めた。相対的に高いインカム収入がリターンの支えになった。

 なお、リターントップは「国内大型ブレンド」に属する「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」。同ファンドは、国内株式への投資に、「高金利通貨戦略」、「株式カバードコール戦略」、「通貨カバードコール戦略」を組み合わせる。2022年の年間のトータルリターンは27.64%であった。
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。