フィデリティ投信「フィデリティ・US・リート・ファンドB」、27日時点の純資産は3465億円超(2)

 フィデリティ投信の「フィデリティ・US・リート・ファンドB(為替ヘッジなし)」<2003120902>への資金流入が加速している。同ファンドの純資産額は4月27日時点で3465億円超まで増加。販売会社の増加が資金流入に結びついている格好だが、2010年3月までの過去1年間のトータルリターン(累積リターン)は131.58%の上昇となるなど、同ファンドのパフォーマンスにも注目が集まっているようだ。毎月15日決算。

 「ボトムアップでの調査をベースに、『投資価値の高い』REIT(不動産投資信託)を厳選した投資を行っている。例えば、優良物件を保有しているREITは利益期待を背景に投機的に上昇する可能性があるが、『投資価値が高い』かどうかは堅実な運営を行っている点などを重視する」(同)との投資方針に基づきポートフォリオを構築、優良銘柄の選別がパフォーマンスに寄与したとしている。

 一方、投資対象REITの保有物件が所在する地域は、都市部から郊外まで全米各地に分散している。さらに、債券や株式の調査グループの情報を活用することや、例えば、米小売大手のウォルマートなどによるREIT利用状況も調査するなど、テナントや各業界に関して幅広いフィデリティの運用リソースを活用している。2010年2月末までの過去1年間では、個別銘柄では組み入れ上位のデベロッパーズ・ディバーシファイド・リアリティー、SLグリーン・リアルティなどの保有比率を高くしていたことなどがプラスとなった。

 現状、米REITのバリエーション面は、過去と比較した場合には平均的な水準で取引されている。ただ、「景気後退により、08年の急落で無配・減配に陥ったREITもあるが、(今後の景気回復から)復配・増配へとのの可能性もある」(同)といい、インカム上昇が期待されるとみている。また、過去の「米国REIT年間騰落率」と「米国の景気循環」を重ねてみると、米国REIT相場は特に景気回復初期「(景気の谷)の直後」において良好なパフォーマンスとなる傾向があり、おおむね景気循環と連動して推移している。さらに、過去のREIT相場の状況をみると、大きく市場が下落したあとのREIT相場の好調は長く継続する傾向が出ている。

 特に日本では毎月決算型のファンドへの資金流入傾向が強いが、同ファンドも3月(第75期)に100円(1万口当たり、税込み)の分配を行っている。また、09年10月には分配金を90円から100円に引き上げるなど、直近では安定的な分配を継続している。フィデリティ投信では「顧客の利益の最大化を念頭に据えて、基準価額の水準や市況動向を考慮したうえで分配金額を決めている」という。また、同ファンドは、繰り越し分を含めた利子・配当収入と売買益(評価益を含む)を分配対象としている。

主な購入費用など
販売手数料(上限、税込み):3.675%
信託報酬率(年、税込み):1.47%
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社
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