キャピタルAMが「フィリピン株ファンド」を5月28日に設定(1)

 キャピタル アセットマネジメントは5月28日から、フィリピン株を主要投資対象とする「フィリピン株ファンド」(追加型/海外/株式)の設定・運用を開始する。外国籍投信ではフィリピン株を主要投資対象とするファンドは設定されており、過去にはフィリピン株を主要投資対象とする公募ファンドも設定されていたが、現状フィリピン株が主要投資対象となる追加型株式投信はこのファンドのみとなる予定。また、アジア・東南アジアを主要投資対象とするファンドの中でも、投資対象にフィリピン株を含むケースは少ない。販売会社は安藤証券。年1回(5月18日)決算。当初募集期間は5月27日まで。

 「フィリピン株ファンド」は、おもにフィリピンで設立された企業やフィリピン関連企業によって発行された株式や株式関連証券に投資する。フィリピン関連企業とは、フィリピン証券取引所上場企業、もしくはフィリピンで営業展開をする企業またはフィリピン経済に影響を受けるビジネスを行っている企業(他市場上場企業も含む)を指す。

 フィリピン株式に注目する背景について、「(投資家から)見過ごされているマーケット。他のアジア株式市場からは出遅れているが、実体経済面は悪くない」(運用本部)といい、最近では高層ビルの建設や、地下鉄などのインフラ基盤なども整備される、など、従前のイメージを覆す格好で経済活動が活発化しているという。マクロ経済面でみても、04年に経済の持続的発展を目指す経済計画が制定されたことにより、2007年は7%程度の成長率を達成。IMF(国際通貨基金)によれば、09年には経済成長は落ち込んだものの、10年には再び回復するとの見通し。アジア諸国のなかでも、フィリピンは人口構成の半分が20歳未満であり、「毎年2%程度の人口増が見込まれ、加えて年5%程度の経済成長が望める」(同)という。

 また、投資対象の企業についても、「企業自体が変化を遂げている」(同)との見方。具体例としては、フィリピンの代表的なビールメーカーであったサンミゲルが挙げられるという。同社は08年に主力事業だったビール事業を日本のキリン・ホールディングスに売却すると同時に、過去の投資の不足を補う形でフィリピンでの成長産業であるインフラ関連事業にリソースを振り向けるなど、「企業の変革」が加速しているとみている。
提供:モーニングスター社
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