PCAアセットのインド株式4ファンド―内需拡大を背景に「PCA インド消費関連ファンド」が好調(1)

 ピーシーエー・アセット・マネジメントはインドの将来的な成長性にいち早く注目しており、インド株式に実質的に投資する「PCA インド株式オープン」<2004093004>を04年9月から運用していた。同ファンドは長いトラックレコードを有し、現状では国内有数の純資産規模のインド株式ファンドとなっている。また、インドの成長局面を多面的にとらえることを目的として、06年11月には「PCA インド・インフラ株式ファンド」<2006110801>を、08年5月には「PCA インド消費関連ファンド」<2008053003>を運用するなど、インド株式のなかでもより投資テーマを絞り込んだファンドも設定している。
 10年7月時点では上記3ファンドに加えて、「PCA インド株式ファンド(3カ月決算型)」<2007121803>を運用。10年7月末時点での過去1年間のパフォーマンスを参照すると、「PCA インド消費関連ファンド」が他の3ファンドをアウトパフォームしているが、これは、インドの内需拡大を反映したものとみられる。

 足元のインドの経済状況をみると、10年1−3月期実質GDP(国内総生産)が前年同期比8.6%増となるなど、経済環境は堅調さを保っている。一方、インドの主要株価指数の動きは、08年こそ世界的な金融不安から大きく下落したものの、09年には早期の景気回復期待の浮上とインドでの総選挙で与党が大勝したことを好感して大きく上昇した。ただ、10年の株価指数の動きをみると、5月に世界的なリスク回避の動きから新興国株式市場も大きく調整する場面が出ている。

 また、インド経済にとって大きな関心を呼んでいるのがインフレ。6月のWPI(卸売物価指数)が前年同月比プラス10.6%と高止まりするなか、RBI(インド中央銀行)は7月27日の金融政策決定会合でレポレート(市中銀行への貸出金利)を0.25%引き上げて5.75%とし、リバース・レポレート(市中銀行がRBIに資金を預ける時の金利)を0.5%引き上げ4.5%として、今年4回目となる利上げを行った。同時に、これまで四半期ごとに開催されていた金融政策決定会合を1.5カ月ごとに増やし、インフレへの対応を強化する姿勢をみせている。

 懸念とされるインフレについては、「食料関連や衣料品など個人の消費意欲に火が付いている。内需の強さから物価が上昇している」(営業部)といい、需要の強さから物価が上昇している面が強いとみられる。また、食料品関連については、降雨不足など物価の押し上げ要因として懸念されていたが、インド政府とRBIはモンスーンの降雨量が平年並みとなるとの観測を発表していることから、「年末にかけてはインフレ率が1ケタ台の伸びに落ち着くと考えられる。今回の7月末の『利上げ』は予防的な措置と思われる」(同)としており、今年はRBIは数回の利上げを行ったあと、利上げの打ち止めに移るとの見方だ。
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。