SGAMの「日興SGターゲット・ジャパン・ファンド」――「割安」「キャッシュリッチ」に注目
世界的な株価指数の底打ちとともに、新規設定された日本株に投資するファンドも順調に資金を集めている。ソシエテジェネラルアセットマネジメント(SGAM)が5月29日に設定・運用を開始した「日興SGターゲット・ジャパン・ファンド」(追加型/国内/株式)は、SGAM独自の分析に基づく「割安」「キャッシュリッチ」な銘柄を中心に投資する。同ファンドは当初募集期間中に240億円を集めるなど話題を集め、6月29日現在の純資産総額は280億円超まで拡大している。販売会社は日興コーディアル証券。年1回(2月20日)決算。
「日興SGターゲット・ジャパン・ファンド」は、ファミリーファンド方式で運用を行う(「SGターゲット・ジャパン2009マザーファンド」を通じた運用)。国内上場企業を投資対象とし、国内全上場企業株式4000銘柄の中から信用リスクや流動性などを勘案して500銘柄から800銘柄程度に絞り込む。その中から、SGAM独自の分析を加えた5つの財務指標、(1)修正PBR(2)修正負債比率(3)預金等比率(4)配当可能比率(5)自社株買い付け可能比率――でスクリーニングを行い、銘柄数を絞り込む(ユニバースは50から200銘柄程度)。さらに、ユニバースの中から、キャッシュの使い道、株主を向いた経営ができているか、ビジネスの競争力などの観点から20銘柄から80銘柄程度に絞り込んでポートフォリオを構成するなど、綿密なプロセスを経た銘柄選別を行っている。
企業の「価値の本質」を追求する仕組みとなっており、参考ポートフォリオでは、時価総額3000億円未満の小型株が組み入れの中心となるなど、SGAMの調査力・分析力を生かした独自の割安銘柄を追求したポートフォリオ構成となっている。また、同ファンドはベンチマークを設定しておらず、ボトムアップを重視した運用を行うため、TOPIXなどと比較して業種間の配分比率が上下する可能性があるという。
同ファンドを特徴付けているのが、スクリーニングに用いる5つの財務指標。修正PBRは独自の分析を基に、リースや年金債務などを純資産より控除して算出。修正負債比率もリース、年金債務などを負債に上乗せして算出したものになる。加えて、預金等比率、配当可能比率、自社株買い付け可能比率などの指標を用いて、株価が割安、財務が健全でキャッシュリッチ、株主還元余力が高いといった、「わかりやすい」優良銘柄の選別につなげるという。また、独自の修正PBRを利用することで「なるべく保守的な選別」(日本株ターゲット運用部)を心がけたものになっている。一方で、「業績は間違えやすい」(同)と企業業績は重視していない。参考ポートフォリオのバリュエーション(2009年3月末現在)を見ても、TOPIXとの比較では割安、財務的に健全な銘柄群となっている。
一方で、このファンドの運用チームによる同様の投資手法を用いたファンド(SGターゲット・ジャパン・ファンド)では、純資産総額が約400億円となっており、過去の株式市場の下降局面や上昇局面でもTOPIXを上回る実績を残している点も同ファンドが人気を集めた背景にあるとみられる。足元、日経平均株価が一時1万円を回復するなど、株価は底打ち感を強めているが、「長期で買う銘柄はまだ安い」(同)との認識だ。また、同ファンドの投資手法と同様の手法が海外で人気を集めたこともあり、外国人投資家にも評価を受けている。キャッシュリッチ、割安といった企業の持つポテンシャルに対し、「企業が変わっていく余地がある」(同)ことに注目し、期待するファンドともいえよう。
提供:モーニングスター社
「日興SGターゲット・ジャパン・ファンド」は、ファミリーファンド方式で運用を行う(「SGターゲット・ジャパン2009マザーファンド」を通じた運用)。国内上場企業を投資対象とし、国内全上場企業株式4000銘柄の中から信用リスクや流動性などを勘案して500銘柄から800銘柄程度に絞り込む。その中から、SGAM独自の分析を加えた5つの財務指標、(1)修正PBR(2)修正負債比率(3)預金等比率(4)配当可能比率(5)自社株買い付け可能比率――でスクリーニングを行い、銘柄数を絞り込む(ユニバースは50から200銘柄程度)。さらに、ユニバースの中から、キャッシュの使い道、株主を向いた経営ができているか、ビジネスの競争力などの観点から20銘柄から80銘柄程度に絞り込んでポートフォリオを構成するなど、綿密なプロセスを経た銘柄選別を行っている。
企業の「価値の本質」を追求する仕組みとなっており、参考ポートフォリオでは、時価総額3000億円未満の小型株が組み入れの中心となるなど、SGAMの調査力・分析力を生かした独自の割安銘柄を追求したポートフォリオ構成となっている。また、同ファンドはベンチマークを設定しておらず、ボトムアップを重視した運用を行うため、TOPIXなどと比較して業種間の配分比率が上下する可能性があるという。
同ファンドを特徴付けているのが、スクリーニングに用いる5つの財務指標。修正PBRは独自の分析を基に、リースや年金債務などを純資産より控除して算出。修正負債比率もリース、年金債務などを負債に上乗せして算出したものになる。加えて、預金等比率、配当可能比率、自社株買い付け可能比率などの指標を用いて、株価が割安、財務が健全でキャッシュリッチ、株主還元余力が高いといった、「わかりやすい」優良銘柄の選別につなげるという。また、独自の修正PBRを利用することで「なるべく保守的な選別」(日本株ターゲット運用部)を心がけたものになっている。一方で、「業績は間違えやすい」(同)と企業業績は重視していない。参考ポートフォリオのバリュエーション(2009年3月末現在)を見ても、TOPIXとの比較では割安、財務的に健全な銘柄群となっている。
一方で、このファンドの運用チームによる同様の投資手法を用いたファンド(SGターゲット・ジャパン・ファンド)では、純資産総額が約400億円となっており、過去の株式市場の下降局面や上昇局面でもTOPIXを上回る実績を残している点も同ファンドが人気を集めた背景にあるとみられる。足元、日経平均株価が一時1万円を回復するなど、株価は底打ち感を強めているが、「長期で買う銘柄はまだ安い」(同)との認識だ。また、同ファンドの投資手法と同様の手法が海外で人気を集めたこともあり、外国人投資家にも評価を受けている。キャッシュリッチ、割安といった企業の持つポテンシャルに対し、「企業が変わっていく余地がある」(同)ことに注目し、期待するファンドともいえよう。
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