AIGインベストメンツが「ジャパン・バンク・キャピタル証券ファンド2009−07」を設定

 AIGインベストメンツは7月10日、単位型ファンド「ジャパン・バンク・キャピタル証券ファンド2009−07」(単位型/内外/その他資産)の設定・運用を開始する。同ファンドは、主として日本の金融機関が発行したバンク・キャピタル証券、期限付劣後債、永久劣後債、優先出資証券などに投資、国内公募ファンドではこれらバンク・キャピタル証券のみを投資対象とするファンドは国内初になるという。募集期間は7月9日まで。販売会社は東海東京証券。信託期間は約7年2カ月(16年8月31日まで)。年4回(2月、5月、8月、11月の各10日)決算(ただし、初回分配は2009年11月を予定)。

 同ファンドが主要投資対象とするバンク・キャピタル証券は、普通株式と普通社債の中間的な性格を持つとされる。一般無担保債や優先社債と比較して元本や利息の支払いの優先度が低いものの、弁済順位では株式よりも高い。近年、世界の金融機関ではBIS自己資本比率規制を満たすことを目的のひとつとして、これらバンク・キャピタル証券の発行を積極化している。同ファンドの投資対象である、期限付劣後債は(1)配当は設定(2)配当の繰延・停止は不可(3)定時償還はあり(4)繰り上げ償還は設定可能。永久劣後債は、(1)配当は設定(2)配当の繰延・停止は可能(繰延利息は累積)(3)定時償還ななし(4)繰り上げ償還はあり。優先出資証券は、(1)配当は設定(2)配当の繰延・停止は可能(停止配当は非累積)(3)定時償還はなし(4)繰り上げ償還はあり(償還時は額面で返還)といった特徴がある。

 同ファンドでは、日本のメガバンクグループ(三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャル・グループ)が発行する外貨建てのバンク・キャピタル証券に、純資産総額の75%程度をメドに投資を行う(同一金融機関への投資割合は50%以下)。為替変動リスクを回避するため、原則として為替のフルヘッジを行う。また、基準価格が1万2000円に達した場合には、速やかに繰り上げ償還を行うことを目指す。

 09年に入り、日本の大手金融機関で個人向け劣後債の発行が相次いでいるが、金利水準などから個人投資家の需要は旺盛となっている。これまで国内では劣後債の需要は機関投資家にほぼ限られていたが、今回、個人投資家向けに発行された劣後債が人気を集めたことで、AIGインベは同様のニーズがあると見込み、これらの劣後債を組み合わせたファンドを設定することになった。同ファンドの組み入れ対象は、既発債が中心となる。「日本の金融機関に関して、投資家はホームバイアスから将来について心配していない」(投資信託本部)という点も投資対象として選んだポイントにあるという。
 バンク・キャピタル証券は、日本ではメガバンクを中心に、りそなホールディングスや住友信託銀行、新生銀行なども発行しており、市場規模は14兆円以上にもなっているという。債券に近い性格を持つことから魅力的なインカム期待があることに加え、繰り上げ償還条項のある銘柄も多いことから、市場環境によっては償還差益を得ることも期待される。

主な購入費用など
 購入単位:1万円(口)以上1円単位
 申込手数料(税込み、上限):3.15%
 信託報酬率(税込み、年):0.9975%
 信託財産留保額:10年8月10日までは0.75%、12年8月10日まで0.50%、以降は0.25%
提供:モーニングスター社
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